…要するに。
ママは以前から
音楽教室の生徒達の
登下校時に
エレベーターホールで
いっしょになったりして
生徒のママさん達とも
顔見知りで。
このヒメミヤさん家の
野生の少女の
ママさんや
おばあちゃんとも
たまに
立ち話なんかをしていた
カンケイだったという。
今朝は
郵便局に行こうと
マンションを出ると
ちょうど
幼稚園バスの指定場所に
向かう途中の
野生の少女とその母親と
遭遇して
声を掛けたら
野生の少女が
母親の手を離して
ママの方に駆け寄ってきた。
凄いスピードの車と
すれ違ったと思ったら
もう野生の少女の母親が
車にひかれてて
その場に
倒れていたのだという。
顔見知りが自分しか
いなかったので
とりあえず
野生の少女といっしょに
救急車に乗って
病院までつきそって。
「幼稚園の
連絡帳に書いてあった
緊急連絡先に電話したら
あの子のおじいちゃんと
おばあちゃんが
飛んできたんだけど
パパさんは今
海外にいるらしくって」
入院している娘さんに
つき添わなきゃいけない上に
家には
生まれて数ヵ月の
赤ちゃんまでいて
大変そうだったから
「つい
ウチでお預かりします、って」
書き置きして。
「連れ帰って
きちゃったのよね〜♪」
って!!!!!
「書き置きだけで
相手の承諾もなくッ!?」
思わず
セイとハモってしまうッ。
「あら、声は掛けたわよ。
マンションの部屋番号も
伝えたしッ」
…アタマ痛いッ。