気がつくと
私の傍に野生の少女が
寝ぼけマナコで
私のお子様ランチを
ガン見そていて。
「あッ、起きてきたッ!!!」
さすがの私も動揺したッ。
「…オトナのクセに
旗なんか立てて
おめでたいヤツだなッ」
私のお皿から旗を抜いて
タコさんウィンナーを
グシグシと
刺し回っている。
…この子の言動に
誰かさんを思い出させるのは
気のせいだろうかッ。
「あらあら。
ずっと眠っていたから
お腹すいたでしょう」
「おうッ」
ママが野生の少女に
イスを勧めているけれど
イスの高さが
子どもの座高に合ってない。
少女が
イスの背もたれの部分に
腰を掛けようとして
「危ないよ」
パパが自分の膝の上に
少女を移動させた。
「ちょうどいい高さに
なったわね」
「おうッ」
パパの膝の上で
足をブランブランさせながら
少女は機嫌よく
出されたお子様ランチを
食べ始める。
「上手にお箸使えるのね〜」
「おうッ」
…懐かしい。
私が昔使っていた
子ども用のお箸セット。
セイと色違いで
買って貰った。
セイのは
空色に
黄色とオレンジのダイヤ柄。
私のが
ピンクに
白と赤のハートの模様が
入ってて。
とってもお気に入りだった。