ドゴンッ!!
開きかけたドアを
無理やり押し返して
セイの部屋のドアの向こう
鈍い音がした。
「あわわわわ…」
慌ててももう遅いッ。
「…セイ…大丈夫?」
私は
ちょっとだけドアを開けて
セイの部屋を覗き込む。
ぐわしッ、と
胸ぐらを
掴まれたと思ったら
力いっぱい
セイに部屋の中に
引き入れられて。
ガチャン!
またカギを閉められたッ。
「…トーコ、おまえ
いい根性してるよなッ」
あはッ、あははははッ。
恐怖のあまり
笑ゴマしてみるッ。
ピーーーーッ。
ピッピーーーーーッ!
「いやああああッ」
あっという間に
真っ赤な拘束テープを
グルングルンに
アタマから巻きつけられ
前が見えないッ。
「うぐぐぐぐうッ」
「しばらく
そのままでいろッ」
ドアが開く音がして
セイが部屋から出て行く
気配がしたけれど。
「?????」
オンナノコの悲鳴が
聴こえない???
「…まさかッ」
私みたいに拘束テープで
あの子の口を
塞いだとかッ!?
私は必死に
テープを剥がしながら
ダイニングへ向かった。