「トーコ、おまえ
何やってるんだ?」
パパが私の姿に爆笑して。
「やだわ、セイ。
トーコは美形じゃないし
オンナノコなんだから」
そんな必要はないのよ、って。
ママッ、
その言い方は
ないでしょおおおお。
「それ、楽しいかッ?」
野生の少女が
私に近づいてきて
「いででででッ」
拘束テープを引っ張った。
でも。
あれ?
この子
セイに何にもされてない?
「いい気味だッ」
私は
セイの声がする方を見る。
「げッ」
セイの顔には
色とりどりの羽根がついた
派ッ手な仮面がついていてッ。
ひとりカーニバル状態でッ。
ご丁寧にマジックで
鼻の下に
王様ヒゲまで描いているッ。
…どこで手に入れたんだ
そんなものッ。
「母さん、これ
ピーマン入ってる」
って
よくその格好で
そんな俗なセリフが
吐けるよねッ。
お貴族さま、という
表現がぴったりの
その佇まい。
仮面の下
冷やかな目を
ときどき
こちらに向けては
グリーンピースを
私に向って
投げつけてきたッ。
「おうッ?」