爆破事件に
子ども達が
巻き込まれかけたのが
相当、ショックだったのか。
「ママから連絡を貰った後
すぐにパパから
警察に知らせたから」
後は警察のみなさんに
お任せしよう、って
思わぬパパのセリフに
セイとふたり
固まってしまう。
「帰りに
ママの好きな甘いモノ
何か買って帰ってくれるか」
パパは
サイフから千円札を3枚
取り出して
初めて私達に
笑顔を見せたけどッ。
「パパッ。
警察の情報は
犯人に漏れてるんだよッ」
私のセリフに
今度はパパが固まった。
「トーコッ…!」
セイが
私の口を押さえたけど
もう遅い。
「…だとしたら
余計、おまえ達を
関わらせるワケには
いかない」
エレベーターの
ドアが開いて
パパがひとり
さっさとエレベーターを
降りていった。
「あのねッ、パパッ」
痛いくらいの
セイのキツい視線を
浴びながら
私はパパの背中を掴む。
「…後の話は
ウチに帰ってからだ」
いつになく
厳しいパパの横顔。
取りつくシマもない。
だけど。
ここで引き返すワケには
いかなくて。
「パパッ。ごめんッ!」