「いいか、クソガキ。
よく聞いて答えるんだぞ」
…セイッ。
アンタこそ
子ども相手に
何たる言い草ッ。
「ジュナも
そこにいるのか?」
『いないぞッ』
「今、おまえは
そこで何をしている?」
『おにいちゃんと
お話ししてるぞッ』
「…俺と話す前の
話をしているんだがッ」
いかんッ。
どうもふたりの会話が
全然、噛み合ってないッ。
「セイ、代わってッ」
半分切れかかっていた
セイに代わって
「もしもし、ケンちゃん?」
私が少女に話し掛ける。
だけど。
「今、そこで
ひとりでいるの?」
『おにいちゃんも
いたぞッ』
噛み合ってないとばかり
思い込んでいたのは
私達の勘違いだったって
わかった瞬間。
私は次のコトバが
出なくなった。
「…誰かオトコのヒトと
いっしょにいたみたい」
固まる私から
セイは
ケータイを取り上げて。
「…今もそこに
オトコがいるのか?」
セイが穏やかな声で
少女に質問する。
『う〜むむむ』
「いるの? いないの?」
『いたり、いなかったりッ』
少女の返事に
必死で自分を抑えて
根気強く質問を続けてる
セイがいて。
この状況が
タダゴトじゃないってコトを
私は深く思い知らされた。
百花繚乱☆乱れ咲き
乱れ咲き♂011
≪〜完〜≫
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