「ジュナさんが
他に誰か若いオトコのヒトに
協力して貰ってるってコト?」
「彼氏がいるような
タイプには
見えないけどな」
オトコを寄せつけない
「あのきっついムード」
オトコボケしてる
トーコとは大違いだ、って
失礼なッ。
でも
「あの子が泣かずに
いっしょにいるってコトは
おにいちゃん、って
ブ男だってコトだもんね」
キャリアなジュナさんに
ブ男は似合わない。
「…トーコ、おまえ。
あのガキがなついていた
ウチの父さんの容姿を
さりげなく卑下してないかッ」
「そんなコトッ」
…ない、とは
言い切れない自分が哀しいッ。
私自身
パパに目元とか
似てるって自覚もあったから。
落ち込む私をよそに
「あった、あった」
セイが怪しげな
掲示板のページに辿り着いて
画面を
スクロールしてるけど。
「汚い悪口ばっかり…」
早送りされる画面からも
ヒメミヤ一家への
罵詈雑言が
目に入ってくる。
「…どうして
こんなページを見てるのよ」
「クソガキの母親の元カレの
少年画家が常宿にしていた
ホテルの名前が
確か
書きこまれてたハズだからさ」
「常宿ッ!?」
「ほら、ここにも」
「……」
「ジュンイチ・ヒメミヤの妹が
そのホテルでど〜のこ〜の」
そこには
ジュナさんのコトまで
滅茶苦茶に書かれていて。
自分のコトでなくても
やっぱり
吐き気がする。