ヒメミヤ一家を
擁護する書き込みを
たまに見つけても
その後
「本人だろう」って
悪口が百倍になって
かえってきてて。
「…ジュナさんは
こんな書き込みする
タイプじゃないよね」
「こんなトコロに
自分の悪口を書かれて
炎上するのがわかってて
言い訳的な書き込みをする
バカなんか
フツーいないだろ」
同じ土俵に降りて
書き込み合戦なんか始めたら
その時点で
そいつらと
同じになっちまう、って
…セイは
サラーっと答えているけど。
「こんな掲示板の
ウワサなんか
信用できないよッ」
画面を
消してしまおうとした
私の手を
セイが押さえつけて。
「信憑性なんて
今はどうでもいい。
潜伏先のホテルを
絞り込みたいだけだから」
目的の為なら
手段を選ばず。
どんな危ない情報源だって
利用する。
「セイってさ。
ああいうアングラな掲示板
いつも見てるんだ?」
何かショックだ。
「…だっから
おまえを
ここに連れてくるの
ヤだったんだよ」
セイの投げやりなセリフが
背中越しに
聴こえてきた。
前に部屋で
同じ掲示板の書き込みを
見せたとき
「こんな掲示板なんか
知ってる俺が
汚らわしいって
言わんばかりの顔を
おまえがしてたからさ」
って
セイが掲示板の画面を
検索画面に切り替えながら
溜息をつく。
「…そこまでは
思ってないけどッ」
ごめんなさいッ。
近いコトは
確かに思ってましたッ。