乱れ咲き♂013


「やっぱりある程度
現金は必要かな」

少女がいるらしいホテルの
検索を
再び始めたセイが


「コンビニのATMで
現金おろしてきてくれ」と

パソコンの画面を
見つめながら

私の手の甲に
ボールペンで暗証番号を書く。


「ど〜して
手に書くかなッ」

「おまえ
数字覚えるの苦手だろ」

「目の前に
備え付けのメモ帳が
あるじゃないッ」


「気がつかなかったな」


「ボールペンには
気がついておきながら

よくもまあ
イケシャアシャアとッ」


「時間が勿体ないだろ。
早く行けよ」


セイってば

私との会話も
恐らく適当でッ。


「私のいない間に
エッチなページでも
見る気なんでしょッ」

「ホテルの見取り図や
内装の写真を探してるんだよ」


「……」

「…早く行けよ」

カチカチカチ、と
セイが打つキーボードの音。

確かに検索画面には
ホテルに関する情報が
羅列されていて。


だけど。

なんか怪しいッ。