…パパのお仕事も
大事だけれど
「パパッ、ごめんッ」
やっぱり
セイが心配だから。
私は
駅前のタクシー乗り場に
足を踏み入れる。
タクシーのドアが開いて
乗り込もうとした瞬間。
ドンッ。
私は誰かに背中を
突き飛ばされる。
「え」
気がつくと
胸に抱えていたハズの
現金が入っていた
ビニール袋がなくて。
「うそおおおおお」
ヒトゴミの中
ニット帽を被ったオトコが
逃げていくッ。
「何でこんな
タイミングでええええ!?」
私は
懸命にオトコの背中を
追いかけたッ。
大騒ぎしながら
コンビニで
お金なんか下ろしてたから
つけられていたのだろうかッ。
バカトーコ、って
アタマの中で
セイの嘲り笑いが
駆け巡ってッ。
「意地でも取り返すからッ」
ヒトゴミを避けるのは
カラダがちいさい方が
絶対有利だ。
駆けっこなら
男子にだって
引けを取らないッ。
そんな私の思い上がりが
まさに誰かさんの
思うツボだったなんて
おバカな私に
思いつくハズもなく。
エサに食いつくように
私は懸命に
犯人を
追い掛けてしまっていた。
百花繚乱☆乱れ咲き
乱れ咲き♂013
≪〜完〜≫
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