「外タレとか
有名な金持ちが
泊まるようなホテルだと
それくらいするかもね」
店員さん達の返事が
戻ってくる。
「あるんですかッ」
…信じられないッ。
「…下ろすしかないか。
五百万ッ」
だけど五百万って
どれくらいの量が
あるんだろうかッ。
想像もつかないッ。
「あの〜…」
レジまで戻って
さっきの親切な店員さんに
また質問してみた。
「五百万円って
両手で抱えて持てますか?」
「……」
「……」
私の質問に
またしても店員さん同士で
目を合わせていてッ。
「ごめんなさいッ。
変なコト訊きましたッ」
慌ててその場から
逃げ出そうとする私の
後姿に
「ビニール袋なら
いくらでも上げるよ」
半笑いの店員さんが
声を掛けてくるッ。
「…じゃ、念の為」
ビニール袋を
取りに戻った私に
店員さん達は
必死で笑いを堪えてるッ。
…セイのバカッ。
今頃、私のこんな姿を
想像して
パソコンの前で
大笑いしてるに違いないッ。