「ウチの学校関係者で
セイを
知らないヤツはいないよ」


…おじいちゃん薬剤師に
テルさんまで

口を揃えて

セイは目立つヤツだと
主張する。


「あの容姿もそうだけど

ヒトの懐に入るのが
上手いっていうかさ」


どんなヤツでも
役に立つ、って

言わんばかりに

来るモノ拒まず、で。


って。


…セイらしいッ。


「テル、お前さんは
あれ程セイに
世話になっておきながら

何つー言い草だ」


…セイが世話?

何かセイには
そぐわないコトバだ。


「テルはね。

家の経済事情で
学校を続けられなく
なったときに

ずいぶん
助けられていたんだよ」


おじいちゃん薬剤師が
セイをフォローする。


「コンピューターソフトの
開発の仕事を
紹介して貰って…」


「怪しげなソフト開発の
仕事だったけどなッ」


…怪しげな、ってッ。

おいッ。


「それで大金を手にして

お父さんの工場もも
人手に渡らずに
済んだんじゃないか」


「恩には思ってるよッ。

だからこうして

また、とんでもないコト
やらされてんだしッ」


かっぱらいとか。

ネットの画面偽造とかッ。


…申し訳ないッ。