みすぼらしい格好の
オンナノコが

ヒトを探して
ウロウロしてたら


「すぐにホテルマンに
声を掛けられて

追い出されちゃうよ」


ドライバーさんは
まるで経験者のように
語ってるッ。


しかも

「みすぼらしい…って」


確かに
古着のリメイクの服は

グラム売りしてるのを
買ってきたモノだけどッ。


このジーンズの刺繍なんて

1週間もかかった
手の込んだ
渾身の一品なのにッ。


見る目がないッ。


ネックレスだって

ビーズの
色の組み合わせとか
大小とか

すっごくアタマ使って
大変だったんだからッ。


その労力を考えただけでも
充分に値打ちモノだと思う。


「……」

オジサンに
わかって貰わなくても
いいけどねッ。


でも何かテンションも下がる。


「お客さんさあ」

「……」

「もしかして湿布貼ってる?」

「……」

「凄い臭ってるよね」

「……」

「その歳で
もしかして肩こり腰痛持ち?」

「……」


私は失礼なドライバーに
返事をせずに

窓を開けて換気する。


「お客さん、寒いよ〜」


…だったら
ニオイとか言うなよなッ。


私は窓をまた閉めた。