「大丈夫だったんだッ。

よかった!
よかったよおおおお」


「どうしたッ、トーコッ。

いつになくお顔が醜いぞッ」


「……」

野生の少女のツッコミに
感激のナミダも止まるッ。


「いい子にしてた?」

「おう!」

ふたりの後をついて
部屋の奥に入ると

そこはホテルとは思えない
明るい部屋で。

眩しいくらいだった。


「お絵描きしてたの?」

テーブルの上に散らかっていた
色鉛筆を片づけながら

ジュナさんは
野生の少女に笑い掛ける。


「オンナみたいな
にいちゃんが描いたッ」


「おにいちゃんが
描き方を
教えてくれた、でしょ」


…オンナみたいな、って
もしかして。


セイがここにッ!?


私は部屋中を見渡したッ。


「おにいちゃんと言っても
生きてる人間じゃないから

探しても無駄よ」


って。

「生きてない
おにいちゃん…?」


「そう。
この子にしか見えないみたい」

「……」

「昔っから、だから」


あのおおおおおおッ。

それじゃ
オカルトでしょおがああああ。