さすが野生児というのかッ。
霊とお話してしまうなんて
そこまでいっちゃうかあああ。
私なんて
幽霊とかオバケとか
聞いただけで
身震いしてしまうのにッ。
「この部屋に
幽霊がいるってコト
ですよねッ!?」
そう訪ねてる端から
鳥肌が立ってきたッ。
「…今、おにいちゃん
この部屋にいる?」
ジュナさんは真面目な顔で
再びお絵かきを始めた少女に
確かめているけれどッ。
「おにいちゃん
隠れてるからッ。
ナイショなんだッ」
…昨今の幽霊は
かくれんぼでもするのかッ。
クローゼットを開けて
出てきたりしたら
きっと私なら
間違いなく心臓が
止まりますうううううッ。
もしかして
「ジュナさんも
幽霊が怖くて
こんなに部屋を
明るくしてるとか?」
「まさか!」
ジュナさんが私のセリフを
笑い飛ばした。
「そうですよね〜。
幽霊なんて
気のせいですよね〜」
私もいっしょに
笑い飛ばそうとしたのにッ。
「この子が
見えて聴こえてるのは
『彼』の姿と声だけなの」
「え?」
…『彼』って
例の少年画伯のコトだよね。