…だけど。

ジュナさんは
いつまでこの子を
こんな場所に
隠しておくつもりなのか。


オモチャもない。
遊具もない。

訪ねてくるヒトもいない。


この子がいつまでも
飽きずに
いれるワケがなかった。


さっきから
少女が部屋中の扉を
開けたり閉めたりして
遊んでいる。


「指を詰めるから
危ないよ!」

「おう?」


「詰めると腫れて
痛い、痛い、だよッ」


指がおおきく腫れる
ジェスチャーをしている私を

少女はじっと見て


「それでトーコの足は
そんなのに
なっちゃったのかッ?」


私のテーピングされた足を
指さしている。


「…この足は、ねッ」

オトコを蹴りつけようとして
失敗した結果だ、なんて

教育上
とても言えるワケがなくッ。


「トーコは
おマヌケだなッ」


「……」

少女は今度は
引き出しを順番に開けては

中のモノを
出したり
詰め直したりしていて。


「それ、面白い?」

「おうッ」


あれ?