よせばいいのに

「おまえも着てみたいかッ」

「……」


そういう危ないヒトを好んで
近づくのが

無邪気さってヤツなのかッ。


「ふふん」

小悪魔の目をしたセイが
私を見て

ニヤリと

笑ってるうううううッ。


…嫌〜な予感。

「俺もシャワー浴びて
ひと眠りしようかな」


仮面をつけた
上半身ハダカのセイが

すれ違いざまに


「あの類の下着は
全て処分したと
思っていたんだけどな」

って。

私に耳打ちしてきてッ。


「後で話そうな」

セイのセリフに
カラダが固まるッ。


だって、だってッ!

あの下着セットは
去年、友達みんなから貰った
誕生日プレゼントでッ。


いくら何百円の安物でも

捨てられるワケが
ないよおおおお。


こくこくこくッ。

私の横で
ミネラルウォーターを
口にしている少女。


「ぷはあああ〜♪」


もう1杯、って

オヤジ顔負けの
勢いでッ。


…悪気がなくって
うらやましいぞッ。