ただでさえ、おおきな目を
さらにおおきくして。

「おうッ」

少女が、がははは、と
笑い出す。


ひとパニックしたら

素顔のセイに
鉢合わせしたコトなど
すっかり忘れたようで。


…これが計算なら

恐るべしッ、セイッ。


だけど

「お風呂の中で
ふざけっこなんかしちゃ
ダメじゃない」

って。


理不尽にも

無実の罪で
私が叱られてしまうのは


絶対に
セイの計算のウチでッ。


「ちょっとしたコトが
生命を危険にさらすんだから」


…そのセリフは

セイに
言ってやってよ、ママッ。


「トーコも風邪をひくから
もういっしょに
お風呂、入っちゃいなさい」


ママは私のセーターを
Tシャツごと
強引に引っ張り脱がした。


「あらッ」

ママの目が
私の胸元に
釘づけになっていてッ。


やばいッ!!!!


セイのさっきの
イタズラな行為の名残りッ。

ブラから乳首が
丸見えになっているじゃ
ありませんかああああ。


「……」
「……」

…ママ、この沈黙が
恐いんですけどッ。


私は生唾を飲み込んで

必死で
言い訳を考えるッ。


「トーコ
アナタ、もしかして…」