「そんなの
ウチまで巻き込まれたらッ」

大変じゃないかッ!


私は
ママの腕を掴まえた。


「トーコッ、何だ
その格好はッッッ!」

え。


「あわわわわわッ」

リビングで
お茶を飲んでいたパパが

「あちッ、あちちちッ」

私の片乳の姿に
パニックを起こしてッ。


ひえええええええッ。

私はブラの中に
乳首を収めるッ。


「父さん、大丈夫?」


パパの心配をする
フリをして

上半身ハダカの
お貴族さまが

くくく、っと肩で笑っててッ。


私は屈辱感いっぱいで

顔から火を噴きながら
バスルームに駆け戻った。


「おうッ!

トーコ、おまえも遠慮せず
早く入って来いッ」


上半身下着姿の私を見て
野生の少女が
湯船から顔を出して

ず〜ず〜しく
手招きしている。


「……」

少女の手には
シャンプーのボトル。

ぴゅ〜っとお湯が
ボトルから吹き出していて。


ぬるぬると怪しくも
クリーム状に変質した
お風呂のお湯。


…とてもじゃないけど
湯船に入る勇気は、ない。


私は
野生の少女の引き起こした
惨状に目を背けながら

黙々と自分のカラダと
髪の毛を洗った。


ぴゅ〜。

「……」


構って欲しいのか。


私の背中に
シャンプーボトルの水鉄砲の
力ない”ぬるぬる弾”が

連射されてきて。


「…おいで。
洗ってあげるから」


野生の少女を
湯船から引き出した。