「はい!
我が家で一番ふかふかの
バスタオル!」
「おう」
ぐしぐしと
少女が素直に
カラダを拭いてて。
…こうして黙っていると
かわいいんだけど、な。
私は苦笑しながら
少女が着れそうな
着替えを探す。
「…私のパンツなら
穿けるかな」
「ダケンは
これにするぞッ!」
”ぶさかわ系”のイヌの
バックプリントが入った
パンツを
自分で選んで穿き出した。
…自分のコトを「ダケン」って
呼んじゃうのね。
みょ〜なトコ
記憶力がよくて。
賢いんだか
天然なんだか
子どもって、わかんないッ。
パンツとおそろいの
ちびTシャツを
出してあげると
「おうう♪」
小躍りして喜んでて。
「ほら、髪、乾かそうね」
…その単純さに
思わず頬も緩んでしまう。
「…あら、ケンちゃん。
ちょうどいいのが
あったわね」
「おうッ!」
野生の少女が自慢げに
”ぶさかわ系”のイヌの
プリントを
家族みんなに
見せて回った。
そんな少女の姿を
目を細めて
あたたかく見守る家族の中
「……」
冷やかな目をむけている
ヤカラが約1名ッ。