「…大丈夫だよ。
ママ、きっと良くなって
戻ってきてくれるから」
私は少女の
強情な黒髪を
ゆっくり撫でる。
そんな私に
自分を無視されたと
思ったのか。
「邪魔なヤツッ」
セイが乱暴に
少女のカラダを
ベッドヘッドに追いやった。
「全く、眠ってても
ず〜ず〜しいんだよなッ」
少女のお尻を
ぱんっと叩いてる。
「こっちへ転がってきたら
今度は潰すぞ」
「今度は潰すって…」
あれ?
…もしかして
セイはさっき
私からの蹴りを
簡単に食らってたけれど
この子を下敷きに
したくなかったから?
「ほらッ。
ベッドも広く空いたし」
やろうよ、SEX、って
セイの手は
私のパジャマの裾を
早々と捲っててッ。
…やっぱり
コヤツを
買い被ってはいけない。
蹴りを無防備に
食らってたのだって
ただ単に
寝ぼけてて
カラダが
まだ起きてない状態だったから
かもしれないッ。
「私はこの子と
ふたりで寝るから!」
”ふたり”というコトバを
強調して
セイをベッドから
追い立てて
部屋の電気を消そうとした。
「あ、バカ、消すな」