「…知ってたら
いっしょに寝てあげてたのに」


「さっさと
ひとりで爆睡していたヤツが
よく言うな」


…セイはホントッ
いちいちムカつくッ。


だけど

ここで負けるワケには
いかないッ。


「セイが
なつかれていたワケじゃ
なかったんだね〜♪」


「…俺も
なつかれたくはないッ」

セイの唇が、とんがった。


「はい、はいッ。

わかったから
自分の部屋で寝ましょうねッ」


私は
セイの背中を押して
部屋から追い出そうとして

セイの長い手が
ドアに突っかかる。


「…パンツの場所
知りたくないの?」


…どうせゴミ箱かそこらに
捨てたんでしょッ。


「替えのパンツは
いっぱいあるからッ」

「じゃあ
トーコのニオイつきパンツは
俺のコレクションに加えとく」


「オノレはあああああッ」

私の蹴りを
華麗にかわして

セイが、あははは、と
高笑いしながら

私のベッドに逃げ込んだ。


「ああ
なんて憎ッたらしい寝顔♪」


セイが
眠りこけている
野生の少女の頬っぺたに
キスをして

思わせぶりに
私の方を見た。


「…そんなちいさい子に
嫉妬したりしないもんッ」