メールアドレス変更を
完了しました、って…。


「セイッ、アンタッ!
ヒトのメアドを勝手にッ!!」


「前々から
気にはなっていたんだよな。

おまえのメアド
本名まんまだしさ」


個人を特定できる
単純なアドレスは
危険に巻き込まれやすい、って


「そんなコト
わかってる、けど」

複雑なメアドは覚えにくい。


「おまえでも覚えられる
アドレスにしといたから」


セイが
私の持っていたケータイの
プロフィールページを開く。


「…何なのッ。
このアドレスはッ」

思わず
コブシを震わせてしまうッ。


「みんなだって
トーコのアドレスだって
わかりやすいしさ」

なんて

余計なお世話のセイは
ニヤついていてるけどッ。


「watashi-obaka-nano@…」

ワタシ、オバカ、ナノ@…

なんてッ


「こんな屈辱的なアドレス
欲しくないッ!!!!!」


「セイ、アイシテル@…のが
よかった?」


セイはますます調子づくッ。


「それこそ個人情報
入ってるじゃないッ!!!!」

「トーコにしては
鋭いツッコミだったな」


セイが
私から再びケータイを奪って


「メアド登録してるヤツには
アドレスの変更

一斉送信しておいたから」


って

親切そうに言ってるけどッ。


「こんな真夜中に
メール送るなんて非常識ッ!」