だいたい
メアド変更なんて
急いでやるコトでもないのに。
「思い立ったら
吉日、ってね」
…セイに常識を求めても
無駄なコトだって
わかってはいるけれどッ。
「……」
私はセイから
またまた
ケータイを取り上げて
目覚ましをセットする。
「…恐くないの?」
「は?」
「ヒメミヤ家の関係者みんなの
アドレスを調べ上げて
脅迫文を送りつけてくる
犯人だぞ」
「…犯人って」
「あれだけ派手に
警護してますよ、みたく
マンションの前に
警察に張られてちゃ
この駄犬がここにいるのも
すぐに犯人にもわかるだろう」
…それって。
「私達も
命を狙われちゃうって
コトおおおおおおお!?」
ひょえええええええッ。
「大袈裟なヤツだな」
「アンタが恐ろしいコト
言ってるんじゃないのッ」
「脅迫される可能性が
高いってコトだ」
無差別に関わってるヤツを
殺していくなんて
あり得ない。
「オツムがテレビドラマに
毒されてるな」
って。
セイが笑いながら
動揺する私のアタマを
抱きかかえるようにして
横になった。
「警察はたぶん
すでに犯人を
数人絞り込んでいる
ハズだから」