約束を守れないヤツなんかと
関わってたら

「こっちの命が
いくつあっても足りない」

なんて。


セイは立腹してるけどッ。


「あのヒトだって
あの子のコトが心配で

居ても立っても
いられなかったんじゃ…」


「犯人を甘く見たら
ヤバいってコト

全然、わかってない!」


「だからって
見捨てるの!?」


「……」

私のセリフに
セイの足が止まった。


「…おまえを
危険な目に合わせてまで

救う価値のある命ではない」


思いもかけぬ
セイの厳しいコトバ。


だけど

「世界中が滅亡しても

おまえと
父さんと母さんだけは

絶対に
俺が生き残させてやる」



なんて。


「…大袈裟なんだからッ」


でも

そんなバカなセリフに

ときめいて
しまっている私は

なんなのか。


私は
赤く色づいてしまった
自分の頬を隠すように

野生の少女の方を
振り返った。


「幼稚園バッグとか
制服とか
預かっていますから!」


取りに来てください、って

私が野生の少女を
手まねきすると。


「おうッ!」

少女が一目散に
こっちに向って駆けてきた。


「あッ」