「…真っ赤なマニキュア
趣味悪いよッ」
「ふふん」
セイが
真っ赤なルージュをひいた
自分の唇を
私の唇に近づける。
「オンナ同士で
ちゅう、してるッ!!!」
ふたりの間
おおきな目がこっちを
凝視していた。
「…オンナ同士の
何が悪いッ」
セイが
男装した野生の少女の
胸ぐらを乱暴に掴んで
少女のカラダが
浮き上がるッ!!!!
「セイッ、乱暴は…!」
ちゅうううううううう。
「!!!?????」
セイの唇が
少女のちいさな唇を捉えて
「おううッ!?」
そのまま
まっかなルージュが
少女の頬に
べったりと線を残した。
「…お?」
半分思考の止まった
少女から
セイが手を離して。
「次は本番」
セイが私の後頭部を
乱暴に抱き寄せて
キスをする。
…女装姿のセイと
キスするのって
何か不思議な
昂揚感。
イケないコトを
しているみたいだ。
エレベーターが
1階に着いて
開きかけたドアを
セイが
クローズのボタンを押しては
またエレベーターを
上昇させる。
「エレベーターで
遊んじゃいけないって
でんでんが
いつも言ってるぞッ」