「おうッ?」
「おまえッ。
そんなんであの音楽教室
よくクビにならないな」
「おうッ!」
…私はこのとき
セイはずいぶん
ヒメミヤ家に詳しいんだって
コトに
気づくべきだったのだけど。
「ほら、まずは
このジャングルジムで遊べ」
「おうッ」
セイが野性児を
野に放つ。
…何か
公園に来ているママさん達の
視線が痛いッ。
「セイの格好
やっぱり悪目立ちしすぎだよ」
「みんなの目が
こっちに
集中してくれていた方が
ありがたいでしょ」
ジャングルジムの下で
野性児を見ているセイが
余裕を見せているけれどッ。
「もっと
注目して貰おうか」って
セイの唇が近づいてきてッ。
「ご近所の誰かが
見てたら
どうするのッッッ!!!!」
セイの行為を拒絶するッ。
「あッ、あの駄犬ッ
逃げたッ!!」
え。
セイの指摘に振り向くと
ジャングルジム向こう
野生の少女が
凄い勢いで駆けて行くッ。
「あのガキッ
ナメたマネをッ!」