「ご期待に添えなくて
申し訳ないですが
これはあくまで
世を忍ぶ仮の姿」
セイがあんまり
真面目な口ぶりで
ジョークを言うモノだから
ジュナさんも
対応に苦慮しているッ。
ってゆ〜かッ。
もしかして
セイってば
とお〜っても機嫌が
悪いんじゃ
ないでしょうかッ。
サングラスで
目の表情が
わからないだけに
セイの様子を
窺っているだけで
何だか
とっても気疲れするッ。
「ちょっと失礼」
ジュナさんは
好奇心いっぱいに
セイのサングラスを
外し掛けて
「……」
スグに戻して。
「…この子
アナタの顔を見て
泣き叫んだでしょ」
「…まあ、それなりに」
「噛みついたり、して?」
「…まあ、ときには」
セイってば
何が気に障ったのか
これは確実に
不機嫌モードでッ。
嫌な予感がするよおおおお。
「あッ、でも
家では仮面つけてるので
全然大丈夫でしたからッ」
私は必死で
この空気とセイの失礼さを
家族の代表として
フォローしたッ。
のにッ!!!
「帰るぞ。トーコ」って
強引に
私のヒジを掴んで
足早に
その場を立ち去ろうとするッ。
「危険にさらされるから
今は近づくな、って
あれ程、電話で
念を押しておいたのに」