ひとり恥じらっている
私を見て


セイが

「ブッスッ!」

私にコトバの切っ先を
向けてくるッ。


「おうッ、ブッスッ!」

「ブッスッ!」


トーコはおブスだ
ブッスッス、って

少女とふたり
楽しそおおおおに
ハモっててッ。


アンタら
よく気が合ってるじゃんッ。


…ムカついたッ。


マンションの中
家の玄関のトコロまで

ニッタ刑事は
着いてきてくれたけど。


…中に入って貰って

お茶でも出した方が
いいのかなッ。


戸惑っていると


「ど〜も御苦労さま。
後は大丈夫ですから!」

セイが
強引に玄関のドアを
閉めようとして。


ガシッ。

ニッタ刑事の足が
セイの行為を阻んだ。


「…連絡先
交換しておいて貰おうかな」


また出掛けるようなときや
不審者情報など

お互いに情報を
コマメに交換しようって

ニッタ刑事が提案する。


「ふたりの
ケータイ番号とメアドを
教えて貰えるかな」


…ふたりの、って。


それって

仕事にかこつけて
私のケータイ番号やメアドを

合法的に手に入れようと
してるのかな。


そうだよね。

情報交換なら
セイのケータイだけで
充分だしッ。


「…ふたりとも、ですか?」

セイがニッタ刑事に
問い直しててッ。


セイってば
やっぱり私と同じコト
考えてたんだッッ。