乱れ咲き♂009
「その白々しい声の掛け方
やめませんか?」
セイの冷やかな視線が
スーパーの袋を持った
ニッタ刑事に投げつけられた。
「いや。
セイくんとスーパーって
イメージが合わないから」
ニッタ刑事が笑ゴマしてる。
「そういう先入観ばかり
持っているから
いつまで経っても
犯人が捕まらないんじゃ
ないんですか?」
セイが私の手を取って
歩き始めた。
「あの子は
いっしょじゃないの?」
ニッタ刑事が
私達に追いついてきて。
「ちゃんと某所で
かくまってますよ」
「某所って…!」
勝手なコトを、って
ニッタ刑事が
セイに食らいつくようにして
少女の居場所を
聞き出そうとする。
「犯人が誰だかも
わからないのに
おいそれと
教えるワケには
いかないですよ」
「警察だぞッ!!」
ニッタさんの大声が
スーパーの駐輪場に
響き渡った。
「ちょっと、セイ」
ウソなんかついてッ。
ニッタ刑事を挑発して
やり込めているつもり
なのだろうか。
「いつもの調子で
そんなコト…ッ」
「おまえが口を出すと
ややこしくなるから
黙ってろ!」
ニッタ刑事に
負けないくらいの大声で
セイが私を一喝した。
…ムカつくうううううう。
「……」