「俺の新しいアドレスは
ひとりにしか
教えていない」


「まさか、ニッタ刑事が
脅迫文をッ!?」


ニッタ刑事は
警察の捜査員だよッ!?


「有り得ないッ」

「…どうして?」

警察官は悪いコトに
手を染めないって

先入観はよくないよ、って

セイは
私を呆れた顔して
見つめててッ。


どうして、って
言われてもッ。


「もっとも。

相手は
ネットの
エキスパートらしいし」


ケータイ業界の人間が
この犯罪に加担してないとも
言い切れない、って

セイが自分のケータイを
いじっている。


「じゃ
ニッタさんが犯人だなんて
言い切れないじゃないッ」


「…えらく
アイツのコト庇うじゃん?」

「だって!」


ニッタさんは
私のコトが好きなんだから。


なんて

セイには口が裂けても
言えないッ。


「……」
「……」


ヤバいッ。

勘のいいセイが
気づく前に

何か話題を繋げなきゃ。


そう思えば思う程

アタマの中が
真っ白になるのは

私がおバカなせいなのかッ。


「あのッ、あのね!」


「…おまえ。
変だとは思わなかったか?」


え?