ニュースで
やっていたんだろうかッ。
「もうこれ以上
ご迷惑を
お掛けできませんから、って
ケンちゃんのご家族が」
パパに電話を掛けてきて
すぐにでも引き取りたいと
申し出た
とママが言う。
「パパの耳にも
入っちゃってたんだ…」
「そうみたいだな」
いつのまにか
電話を終えて
戻ってきたセイが
「くそッ」
リビングのソファーに
八つ当たりするように
深く座った。
「あのバカオンナッ。
俺のケータイの番号
知らないから
警戒してケータイに
出やしないッ」
「…あのオンナ、って
もしかして
ジュナさん?」
私は恐る恐る
セイの傍に寄って行く。
「ああ! そう言えば
ケンちゃんを
迎えに来ていた女性も
そんな名前だったわ」
答えたのは
セイではなくママで。
どうやら
ジュナさんが
警察での事情聴取に
協力した後
ウチのパパに
今朝あった出来事を話して
パパからママに連絡を
入れて貰ったらしくって。
「あのバカオンナッ。
父さんには
警察の許可を取ったとか
言ってたらしい」
「ニッタさん。
あの子は
いっしょじゃないの?、とか
私達に言ってた…」