ジュナさんと『彼』。


…ヒメミヤ氏は

ふたりは幼なじみだ、と
言っていたけれど。


「ふたりは、できてるな」

セイがぼそっと
私に耳打ちしてきてッ。


ココロの中を
読まれたのかと思ったッッ。


「…口を慎もうねッ」

動揺を誤魔化す為に
セイの口を左右に引っ張る。


「そうだとしてもッ
気づかないフリするのが

人の道ッ」


「トーコに
道を説かれるとは

俺もヤキが回ったな」


セイの綺麗な顔が
さらに近づいてきたッ。


「今度は何?」


ギクッ。

自分達の会話に
興味を
持たれてしまったのか、と

ジュナさんの声がする方を
そっと見る…。


「おたまじゃくしの集会所ッ」


ジュナさんの問いに
少女が答えていて

ホッと胸を下ろした。


のにッ。


「同じモノを

満足がいくまで
延々と
創り続けていくトコロも

『彼』にそっくりなのよね」


「……」
「……」


「この子の中で
『彼』は目覚めのときを
待ってるんじゃないか、って

ときどき

本気で試したくなる」