…ジュナさんは
今、自分が何を言ったか
わかっているのだろうか。
それは
まさに
今、ヒメミヤ家を
苦しめている犯人と
同じ発想なんだ、って。
「…おたまじゃくしは
もうカエルになったから
集会所は
要らないんだよ」
私は無意識に
少女に話し掛けていた。
「セイ。他の折り紙
教えてあげなさいよ。
ほら、カエル、とかッ」
「…いいんじゃない?
集会所がいっぱいあっても」
セイいいいいッ!!!!
この期に及んで
意地悪なんか
言わないでよッ。
「いっぱい創ったら
また、おたまじゃくしが
集まってくるかもよ」
なんて。
「おうッ!」
少女を
益々やる気にさせて
どうするッッ。
ああああああああ。
ひとつ。
またひとつ、と。
蓮の花ならぬ
おたまじゃくしの集会所が
床の上
増殖していく。
そんな少女の様子を
嬉しそうに見つめながら
「…『彼』に
もう一度でいいから
逢いたい」
って。
ジュナさんの漏らした
つぶやきに
私はふと
背中が寒くなる。
百花繚乱☆乱れ咲き
乱れ咲き♂021
≪〜完〜≫
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