ええ、ええ!
そうですともッ!
私が何とか誤魔化そうなんて
無謀なコトを考えたコト自体
間違ってましたッ。
セイが
おおきく溜息をついたのを
背中に感じて
どんどん卑屈になっていくッ。
そんな私を
背中から
抱きしめるようにして
「俺なんかが
簡単に入り込めるような場所
このガキにとって
安全だとは
とても思えないんですけれど」
なんて
ジュナさんに
絡み始めるモンだからッ。
まるで私は
セイの腹話術の人形状態で
ジュナさんに
冷たい目で
見られてますけどッ。
本来なら
この腕を振り払って
セイから
離れたいトコロだ。
だけど
「ここじゃなきゃ
いけないワケでも
あったんですか?」
セイの低めの声が
私の背中から響いてきて
かなり恐いッ。
直り掛けていた
セイの機嫌が
完全に
逆戻りしているッッ。
そんなオトナ達の
事情など
お構いなしに
少女は
ボック☆バーガーの
袋の中を探っていて。
ガサガサ、と
袋が擦れ合う音だけが
ホテルの広い部屋に
響いていた…。
「おおう…♪」
少女が袋の中から
何かを見つけ出したようで
カポン、っと
カプセルを開ける音がして
「カブトン・キ〜ングッ!」
少女が
中から取り出したモノを
高々と掲げて
自慢げにする。
「……」
「……」
…空気を読めない子どもは
ときには地球を
救ってしまうかもしれない。