3人は
私に見せつけるように
ハンバーガーに
ぱくついていてッ。


「そこそこ美味かったなッ」

さっさとひとり
少女が食べ終えた。


…素直に「美味しかった」と
言えんのかいッ。


少女は
ハンバーガーの
包み紙についていたソースを
丁寧に舐めて

床の上に寝そべったかと
思うと

包み紙をちいさな手で
丁寧にプレスして

折り紙を始める。


「…何を創ってるの?」


ジュナさんが興味深げに
少女の手の中を覗き込んだ。


「おたまじゃくしの集会所ッ」


…だから
1万円札のコトは
忘れましょう、ってばッッ。


「…こいつ。

記憶力いいのな」

セイが妙に感心してる。


「セイッ。
その話は掘り返さな…うぐッ」


最後まで
言い終わらないうちに

セイに
食べかけのハンバーガーを
口の中に詰め込まれ


私はまたしても
窒息するかと思ったッッ。


「冷えたハンバーガーは
口に合わんッ」


半分も食べておいて

そのセリフを
言っちゃうのねッ。


「……」

でも。

このハンバーガー

まだ
充分にあたたかくて。


…セイってば。

最初から素直に
半分、分けてくれたら
いいのにさッ。


コーラもきっちり半分
残してくれてる。


やさしいんだか
意地悪なんだか…。


セイは本当に難しい。