ちいさい頃から

面倒になってきたら
途中で投げ出す
あの無責任さは

今だって健在で。


上手くいかなくなって
投げ出さなかったのは

私との恋愛ぐらいだ。


って

言い切りたい
トコロだけれどッ。


あのときも
セイは例に漏れずに
私から逃げ出して

アメリカに渡ろうと
してたんだよねッ。


そんなセイが

今回のような難しいケースを

投げ出さずに

最後まで、はたして
解決に向ってくれるのか。


どこまでも
心配はつきない。


最後の頼みの綱、とばかりに

セイに
絶対的な信頼を寄せている
おやっさん達を

私だって
失望させたり
したくはなかった。


みんなに
折り紙作業をさせながら


セイ本人は、と言えば

みんなから少し離れた
ベッドの上に
寝転がりながら

忙しなく
ケータイのキーボードを
打ち続けていて。


…何をしているんだろう。


メール?

それとも、ネット?


セイってば

「ふふん」

なんて

ときどき
ケータイの画面を見ながら

満足そうに笑っててッ。


…まさかッ。

ケータイのゲームで
遊んでるワケじゃないよねッ。


「……」

「!!!!!」


ヤバいッ!!!

セイと
目が合ってしまったッッ!


「…トーコ。おまえ
サボってないで
しっかりノルマを果たせよ」

なんて

キッツイ目で威嚇されるッ。