…何よッ。
セイってば
エラそうにッッ。
アンタは
強制労働所の看守かッッ。
ベッドの上
体勢を変えながら
ゴロゴロ、ゴロゴロ
自分だけ
楽チンそうにしててッ。
…いい方法がある、とか
言っちゃって
本当は何にも
考えてないんじゃないの?
って。
ノドまで出かかったけどッ。
「セイは
どこにメールしてるの?」
そんな自分を制して
私はあくまで
オトナな対応をするッ。
「…母さんも父さんも
俺達の帰りを待って
まだ夕飯も食べて
なかったらしくってさあ」
セイのケータイが
また光って。
…ウチに連絡を
入れていたんかいッ。
いつだって
ママ達に気を配れる
そんなアナタは
ステキですッ、がッ!!
今はそんな悠長なコトを
してる場合ではない、と
思うんですッッ!!!
「どうするのッ!?
私達、ここでいつまでも
こうしているワケには
いかないと思うんだけどッ」
「…トーコは
どこで何がしたいワケ?」
「それは…ッ」
セイの切り返しに
思わず口籠ってしまいますッ。
「After a storm
comes a calm.
待てば
海路の日和あり、ってね」
また私の知らない単語を
羅列してッ。
オノレッ
私を混乱させる気かッ!
「…セイくん。
おコトバを返すようだけど」
婦人警官が
初めて不安を口にした。
「私達は当てもなく
待つワケにはいかないの」