「えッ?」
セイは思わせぶりに
妖しく微笑むと
その部屋にあった
パソコンを立ち上げて
例の掲示板の
ページを開いた。
「…私達が見ていた画面と
まったく同じだけど」
OBACAが
オトコに出逢ったコトや
ウワサの少女が
『彼』の降臨によって
不思議な蓮の花を
生み出した話。
少女が湿布をイタズラして
蓮の花が膏薬臭い。
などなど。
「その話は
あのオトコもラウンジで
口にしていたよ…」
だけど
「あのオトコが
蓮の花やお金を持ち出す
なんて
どこにも書いてないし」
婦人警官も
パソコンの画面と
ニラメッコしながら
首をひねっている。
おやっさんが
パソコンに近づくと
画面を指さして
何かを確認して。
「ほら、こうやって
OBACAの書き込みを
全て
タテ書きだと思って
読んでいくと…」
ああああああッ!!!
さすが
おやっさんッ!!!
セイの巧妙な
文字構成に気がつくなんてッ。
「この書き込みは
タテに読んでも
文章が成立している!!!」
ケータイは
1行あたりの文字数が
限定されるから
ケータイで
掲示板を見ていたヒトには
このセイのメッセージは
まず気づかれないだろう。
「セイくんは
ヤツもケータイでしか
この掲示板を
チェックできないのを
わかっていて…」