セイはみんなの驚きに
満足そうにして


「現場に集まっているヒトに
知り合いがいたら

この内容を伝えてくれ、って
書き込んだら」


伝言ゲームみたいにして

あっという間に
現場のみんなにも
広がったらしい、って

笑ってみせる。


掲示板の過去ログを
チェックすると

OBACAは実に巧妙に

タテ読みに気づく人間に

語り掛けていて…。


…私達に折り紙をさせて
自分はベッドの上で
こんな仕掛けを
用意していたなんてッ。


「…バカっぽい誤字脱字は

てっきり
トーコちゃんのキャラを
強調していたのかと

思ってたから」


って。

ニッタさんッ。

アナタにだけは

言われたくは
なかったですッ。


「…トーコちゃんの
おバカキャラを活かした

絶妙な
配役だったワケね」


もしもしもし〜ッ!?

婦人警官のおね〜さんッ。

私がいつ
アナタの前で

おバカなトコロを
お見せしましたかッ。


「おバカなトーコッ!」

…ケンちゃんッ。

そのコトバは
ひとつの熟語では
ありませんからッ。


…まったくッ!

何て後味の悪い作戦なんだッ。


「…だけど

よく、裏切るヒトが
出なかったモノだわ」


婦人警官の意見に
ニッタ刑事も
おおきく頷く。