電話を切ったジュナさんに
「…容体が変わったの?」
おやっさんが
恐々と
少女の手を引く
ジュナさんの後姿に
問い掛けて
ジュナさんの足が止まった。
「ええ。そうみたい」
って
この世には
神様なんて
いないのかあああ!!!!
「眠り続けていたヒメに
アニキがキスしたら
目覚めたんだって」
…は?
「まったく!
あの脳天気夫婦は
ヒトを心配させるだけさせて」
信じられないよね〜、って
ジュナさんが
笑ってる…。
「意識取り戻したんですかッ!」
「そうみたい。
ふつうにしゃべってるし。
手足にも痺れも出てないって!」
やったああああああ!!!!
神様ッ!
その存在を疑って
ごめんなさいッッ!!!
「…刑事さん。
警察の車で
送ってくれるんでしょ?」
ジュナさん…!!!
「…あ、ああ」
おやっさんは
ごそごそ、と
お尻のポケットから
車のキーを出そうとして
ジャケットのポケットから
ピンクのケータイが
落っこちた。