「痛いッ」


ましてや

ご無体チャンプのセイと

変わり者の
ジュナさんだ。


ケンちゃんの腕が
抜けたって

離さないに決まってた。


「痛いぞッ」


ここは
私が中に入って
止めるしかないッ。


「いい加減にしましょうねッ」

私がふたりの間に
仲裁に入ると


「痛いってんだろうがッ」

少女が
セイの手に噛みついて

ジュナさんは
少女を抱いたまま

勢い余って
後ろに倒れた。


「大丈夫ですかッ」

私は反射的に
ジュナさん達を
抱き起こしててッ。


「この駄犬ッッ!!!!」

セイが私の背中越し
叫んでる…。


この勝負

少女の軍配は
ジュナさんに上がった。


背中に感じる
セイのムカつきオーラッ。

振り返るのも
恐いぞッ。


「俺に従わないつもりなら

おまえを魔法で
カエルに変えて

このねえちゃんに
食わせるぞッ」


って。

また私がカエル話に
巻き込まれるんですかッ。


セイに
首根っこを掴まれて


空気を読めない少女は

「うほおおおおい♪」

万歳して
小躍りしているッ。