「…おバカのくせに
トーコは勘はいいからな」
セイは
苦笑しているけれどッ。
「その通り。
ジュナさんは
犯人の目星が
ついているからこそ
こんなにも大胆に
動けるんだよな?」
「……」
犯人が誰かわからない
疑心暗鬼の状態なら
他人に対して
とてもじゃないけど
信用したり
スキを見せたりは
できない、って
セイがジュナさんを見た。
「だけど」
その油断が
命取りだったな、って
セイが少女が折った
ハンバーガーの包み紙でできた
おたまじゃくしの集会所を
手に取って。
「エレベーターに残ってる
ハンバーガーのニオイが
ダミーの部屋の廊下に
残ってなければ
他の階で降りたのかも、と
疑われるのは目に見えてる」
誰も使ってはいないハズの
階の廊下に
そんな匂いが残ってたら
一番に怪しまれるだろう、って
セイのセリフに
ジュナさんが蒼くなる。
確かにニオイって
カーテンやカーペットに
ついちゃうと
なかなかとれない。
お部屋で焼き肉すると
何日も気になるときがある。
高級ホテルは
廊下にも布張りのソファーに
毛足の長いカーペット
ニオイがつきやすい上に
窓も開いていない。
「こいつのシップのニオイも
相当にしつこそうだしね」
「……」
「セイッ。
だったら私達
こんなトコロにいたら
余計マズいんじゃ…」
「しッ」
私が全部を
言い終わらないうちに
セイが私の口を塞いだ。
「隣りの部屋で
何か物音がしてる…」
百花繚乱☆乱れ咲き
乱れ咲き♂022
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。