「そんなに理不尽な
取り調べをされたんだ?」

「……」


「あのスポーツカーの
爆破・炎上も

自演じゃないのか、と
疑われたとか?」

「……」


「…ちょっとセイッ!」


憶測も
いい加減にしないと…。


私は
セイの袖を引っ張った。


「でッ!?」

セイはそんな私を
自分の正面に引き寄せる。


「こいつもさ。
ここに来るまでに

警察の拳銃を持った
何者かに
襲われたらしいんだけど」


セイは
私のコートの胸元を
おおきく開けて

血の跡を
ジュナさんに見せた。


「アンタはコレを見て
どう思う?

警察が怪しいと考える?」


「…警察の拳銃、だったんだ」

「え?」


「その筋のヒトが持つには
ちっちゃくてチャチい

子どものオモチャみたいに
迫力に欠ける銃だったから」


「…ジュナさんも
いっしょだったから
拳銃も目撃してるよ。

助けてくれたのも
ジュナさんだしッ」


私はそう補足して
コートの前を閉じる。


「…そんなコト

聞いてないぞッ」