「犯人は派手なコトして
こっちに
警察の目を向けさせて
この隙に少女を…とかね」
「…有り得るわね」
戻りましょう、って
オンナ刑事の声が
聴こえてきて
出て行ってくれるんだ、って
バスルームでひとり
ガッツポーズで
喜んだのも束の間でッ。
「ボック☆バーガーの
セットが
3人分あるようだが」
ニッタ刑事ではない
オトコの声。
少し老けたトーンの
しゃがれたこの声は…。
もしかして
おやっさん刑事!?
私はバスルームのドアに
耳を近づける。
「ふたりで食べたのに
氷がまだ残ってる
飲み物のカップが
ゴミ箱に3つあるのは
不自然だよねえ」
…このオジサン。
ゴミ箱まで
漁ってるらしくって。
「キッズセットの袋も
あるねえ」
セイの創り話を
突き崩そうと
しているかのように
部屋中を
嗅ぎ回っててッ。
「あのガキが
集めてるから、って
ジュナさんが
気を遣ったんですよ」
セイも負けてはいなかった。
だけど。
オジサン刑事の名推理は
容赦なく。
「この階のエレベーター前の
カーペットに
真新しい血の跡が
あったけど?」
!!!!!
私の鼻血だッ!!