「…静かに、ね」


恥ずかしさを超えて

悔しさと絶望が
私を襲った…。


「…何やってるんだ?」


鏡越し

バスルームに
ノックもせずに入ってきた
セイと目が合ってッ。


「!!!!!」

私は目の前のタオルで
胸を隠すッ。


「…そんな大袈裟な隠し方
しなくても」


指2本ずつで
充分だろう、って

セイが
自分の乳首の辺りに
自分の指を当てて

私を挑発したッ。


「おう…」

少女がセイを真似て

自分の胸を
5本の指全部で隠して


「おまえの乳首は
デッカイのな」

「おうッ」

「そいつは将来有望だな」

「うほほほほッ」


怒りに震える私を
無視して

マヌケな会話で
ふたり盛り上がってる。


…どうやら
警察のみなさんは
帰られたようですけれどッ。


「セイッ、アンタね…」

「セイくん。
アナタ、どういうつもりッ?」


私の声を
かき消さんばかりに

バスルームのドア越しで
ジュナさんが怒鳴っててッ。


静まり返るバスルーム。


「ヘイヘイヘイッ
そこの、か〜のじょッ」

少女のおマヌケな声が
コダマするッ。


「ジュナの乳首ッ
指何本ッ」


「……」
「……」
「……」

何て下品なコトを
教えるんだ、って

ジュナさんの目が
訴えていた…。