「…さあ。
5本の指じゃ
きっと足りないわね」


「おおう」

少女が目をキラキラさせて
尊敬の眼差しを
ジュナさんに向けてッ。


「そいつは凄いな!」


笑い転げるセイを
ひと睨みして

ジュナさんは
少女の背中を押して
バスルームを出て行った。


「セイッ…!」

アンタって子はッ!!


「あのオンナさ。

お高く見えて結構
オトコの数
こなしてるかもな」

って

セイが馴れ馴れしく
私に耳打ちしてくるッ。


「セイの言うコトは
いっつも二転三転して

信用できないからッ」


「うごッ!!」

セイの腹部に
膝蹴りを
お見舞いしてやったッ。


私はコートにそでを通して
しっかりと前を止める。


「ジュナさん
ホンットにスミマセンッッ!」


愚弟の愚行を謝罪しながら

私はジュナさん達の
後を追った。


「コート、暑かったよね。

シャワーを浴びて
もう寝ようか」

ジュナさんが
部屋の真ん中で

少女に着せていた
コートを脱がしていて。


私達は完全に
ジュナさんの信用を
失ってるッッ。


「あのッ!!

もうセイには
この子の前で
下ネタなんか
言わせませんからッ」


「…そういうんじゃなくて。

もう本当に大丈夫だから」


ジュナさんは
私に申し訳なさそうに
笑い掛けているけれど…。


「…これでこの部屋に
警察の調べが
入るコトはないから

もう安心だと
言いたいんだ?」