「信者に顔を知られている
ジュナさんを
今夜は外に出ないように、って
ニッタ刑事に
頼まれちゃったし」
俺って
なんてお人よし、って
面倒臭そうに
セイは首をコキコキ、して。
「…私に直接
教えてくれればいいのに。
私のコト
よっぽど信用していないんだ」
ジュナさんが不満をぶつける。
「…ジュナさんさあ。
今日、あの婦人警官から
事情聴取されてたそうだけど
何を聴かれてもずっと
黙ってたらしいじゃない?」
信用されてないから、って
ニッタ刑事が
嘆いてたよ、って。
ジュナさん
あの婦人警官から
事情聴取を受けてたんだ…!
犯人かもしれない相手。
そんなの
何にも話せるワケ
ないじゃないッッ。
「…あのオンナ。
何にも知りもしないくせに
ヒメのコト
育児放棄してる、って
アタマっから決めつけてッ」
ジュナさんが
怒りに震えていた。
…ヒメ、って
この少女の
ママのコト、だよね。
「育児放棄に関しては
掲示板でも
ずいぶん叩かれてたからな」
「身重のカラダで
体調を崩したから
周りのみんなが心配して
子育てに手を貸して
何がいけないワケッ!?」
ジュナさんが益々
いきり立って。
「そういう風に
見えたんじゃないの?」
「セイッ!!」
アンタの辞書には
思いやりと言うコトバが
塗り潰されて
いるんでしょうかッ。