「ジュナさんには

コンピューターに強い

ジュナさんとは正反対な
と〜っても賢明な
お友達がいるようだね」


「……」

「いくら事実と違うコトを
書き込まれたから、って

こんな悪名高い掲示板に
反論して炎上させてさ」


それをお友達が危惧して

掲示板の管理者の
コンピューターに忍び込んで


「アンタの書き込みを
片っ端から

勝手に
削除しちゃったんだよな?」


「…驚いた。

そんなコトまで
どうしてわかるワケ?」


ジュナさんの口の端が
少し上がって。


俯いていた顔。

笑ったように見えた。


「書き込みを消されても
コンピューターを封鎖されても

アンタが執拗に
同じ文章を書き込んでいる
形跡があったけど」


セイはジュナさんから
自分のケータイを
取り上げる。


「それでもめげずに
アンタの書き込みを
削除しまくってる
そのお友達は

うっとおしいくらいの
”お節介焼き”だとみた」


「…そうね。

法曹界の人間なのにね。
私なんかの為に

ハッキングなんて
法を犯すようなマネをして」


ジュナさんが
顔を上げて
複雑な笑顔を見せた。