「弁護士か検察官?
それとも裁判官、ってとこ?
どっちにしても
やっぱり
プロのハッカーじゃ
なかったんだ?」
「学生時代から
コンピューターには
やたら強かったから」
「そうだろうね。
この書き込み
ずいぶん巧妙に
削除されてたから」
復活させるのに
凄く苦労した、って
まるで
自分が復活させたみたいに
セイは威張っているけどッ。
…ぜ〜ったいにソレ
復活させたの
ネットカフェのテルさん
だよねッ。
俺が命令して、って
大事なコトバが
抜けてるんと思うッ。
私はセイの指跡がついた
頬を撫でながら
セイに冷たい視線を送る。
私の視線に気づいたセイが
「いでででで〜ッ!!!!」
また私の頬を引っ張った。
「おお…」
半裸の少女が
憐憫の目で私を見ててッ。
「……」
今は
おとなしくしておこう、って
セイの腕を
ツネ返そうとしていた
自分の右手で拳をつくって
この屈辱に耐え忍ぶッ。
「たださ。
そのお節介なお友達とやらが
今回の事件に関しては
アンタの行動を
どうして
止めようとしていないのかが
腑に落ちないんだけどさ」
お友達を怒らせて
絶交でもされたのかな、って
セイが少女の服を
着せ始めた。
「彼女は今、仕事の関係で
ケータイもネットも
使えないような
アフリカの奥地に出張中」
明後日には
その足で
アメリカに入国する予定だ、と
ジュナさんが
素直に答えてて。
「…ソイツは
日本でこんな大騒動に
なってるんだ、って
未だに知らないワケだ?」